写楽と豊国―江戸の美と装い

「写楽と豊国―江戸の美と装い」

会期:2016年6月18日~8月14日
会場:神戸ファッション美術館

忙しくて気がつけば1年以上更新していませんでした。時は恐ろしいものです。かなり書きたい記事がたまっているので、忙しいを理由にせず頑張って更新していきます!

神戸ファッション美術館はファッションに特化した美術館ではありますが、それ以外にも様々なジャンルの展示を行っています。
それがこちら。

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浮世絵です。
東洲斎写楽や歌川派など約140点もの浮世絵が所狭しと並んでいます。
*撮影禁止のため、写真はありません。

なんでも全てお一人の方の所蔵品らしく(そんなに持っているなんてうらやましい限り)、
保存状態がよくないものも多数ありますが、それでも滅多に見れるものではありませんから
見る価値ありかなと思います。

写楽だけではなく、葛飾北斎、歌川派など様々な絵師が、展示されており、また、アーティストごとや「美人画」「役者絵」などの用語もキャプションで解説しているため、お勉強にもなります。
また、人物の浮世絵のみなので、絵師によって違いがわかって面白いです。

せっかくなので用語について調べてみました。
1)浮世絵
現在の風俗を表した木版画、または肉筆画。
木版画は、絵師以外にも様々な人が制作に関わっており、大量生産できる。例えば、原画を描くのは絵師、彫るのは別のもの、色を入れるのも別のもの・・・など。
一方、肉筆画は一点ものであり、最初から最後まで一人の絵師が携わる。

2)役者絵
歌舞伎関係のものを描いた浮世絵。歌舞伎役者はもちろん、小道具や舞台、歌舞伎を楽しむ人々も役者絵に含みます。当初は、有名人ばかり描かれており、役者のブロマイドのようなものでした。
「写楽」ときいて一番初めに思い出すあの絵も役者絵です。

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東洲斎写楽 三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛

3)美人画
町娘や遊女など美しい女性を描いたもの。ヌードは含まれません。美人画は浮世絵だけを指すのではなく、日本画・洋画も対象となります。モデルの多くは当時の流行ファッションに身を包んでいたので、ファッション誌的な役割もあったようです。

最後に私が好きだった、歌川豊国の今やう娘七小町シリーズを紹介します。
全部で7点あるそうですが、そのうち2点は神戸市立博物館で現在開催中の展示
ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞
でご覧になれるようです。

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歌川豊国 今やう娘七小町・清水小まち

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歌川豊国 今やう娘七小町・雨こひ小まち

きれいですね!

余談ですが、
1)いくつかある展示室の最後が常設展(ファッションの展示)になっているのですが、一歩右に曲がれば、すぐに展示がお目見えするので、浮世絵とのギャップに違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
個人的には、浮世絵はこれでもか!と並べ立てていたので、
常設展コーナーはなしにして、その部分も浮世絵の方が見やすく、統一されていて良かったのではないかと思います。絶対、常設展が必要だったのかしら・・・。
2)受付付近に顔ハメコーナーがあります。
美人画・お相撲さん・役者絵の3種類ができちゃいます。

◆参考◆
Museum Of Fine Arts Boston
(ボストン美術館のコレクション検索ができます。)
日本文化いろは辞典